2005年07月29日

見たら脱ぐぞ!?
崖っぷち弱小大学物語
杉山 幸丸
中央公論新社 2004/10
Amazon.co.jp
「おもしろかったよ」と親切にも貸してもらった本。長い間借りているので早く返さないとならない。でももう一冊借りている。怒られるかもしれない。キレられるかもしれない。ちなみに本書は、有名国立大学に在籍し、第一線で活躍していた「研究者」から、非有名私立大学の「人文系学部長」になった著者が直面した厳しい現実を綴ったもの。
<読み終わって思ったこと>
●著者は「教養学部」の必要性をくり返し訴えている。アメリカには「Liberal Arts」、いわゆる教養学部が存在するのだが、日本にも昔はあったようだ。アメリカの大学ではたとえ薬学部に所属していたとしても、芸術(絵を描いたり写真撮ったり焼き物作ったり)や人類学(黒人学とか食と文化とか)の授業などをリストの中から絶対に選択・受講しないと卒業できないようになっている。こういうシステムなので、「もっと勉強したい人は大学院へドウゾ」というスタンスだ。一方日本では、学部生レベルで習得する専門知識が非常に細分化されていて、しかも深い。にもかかわらず特に文系の学生は、その専門知識が就職に生かされないことが多いのではないだろうか。中途半端に専門性を身につけるのなら、社会にでた時に必要な「教養」を身につけさせるべきだ、ということなのだろう。どちらも一長一短な気がするが、前提としてやる気のある人が集まる場所が大学であってほしいものだ。
●著者の人柄がすごく良い。年齢を重ねても常に何かを思い、目標を見つけ、その達成のために学習する姿勢は見習いたい。「あぶら取り紙」が何か知らなかったけど、今はもう完璧に分かっている、分からない人のためにお教えしましょう、という記述はほほえましかった。
●講義をするときに、教室の静寂を保つにはどうすればいいのかと最近良く考える。本書でも紹介されているように、昨今の大学生はなかなかコントロールが難しそうだ。だからといって無法地帯を許すのはまじめな学生に迷惑がかかるし、いつも大声でわめき散らしたり怒ったりするのは静かにしている学生にストレスをかけてしまう。いや、むしろうるさい学生は怒られてもきっと平気なので、まじめな学生の方が嫌な気分になるかもしれない。やる気のない人は来なくてもいいとは思うのだが、最低限「やる気のある人が学べる環境」を維持することは教えるものにとっての義務だと思う。
そこで私は「契約書システム」を思いついた。1回目の授業で契約書を配布し、サインを求める。もし契約書に同意できない場合は、話し合いを行い契約書を改変する。その上で、契約に明らかに違反した行為が講義中に見られたら、その場でサインされた契約書を取り出し、対象となる学生に突きつけ、退出させる。自分でサインしたもの(しかも反論をする機会も与えている)だから、学生もきっとそれを守ろうとするはずだ。甘いだろうか。
●契約書Ver1.0
講義中以下の行為が見られた場合、甲(私)は乙(学生)に対して退出を命ずることができ、乙はそれをすみやかに受け入れなければならない。
講義を妨害するほどの騒音を発生させ、それに対して3回以上の注意を受けながらも、改善が見られない場合。
-雑談
-携帯で会話
-やたら頻繁に教室を出入りする
-おせんべい等を食べる
-飲料をストローでズルズル音を立てて飲む。
正直これくらいだ。腹が減っては戦が出来ないので、腹八分くらいまでなら別になにか食べても良いし、喉が渇いて仕方ないなら飲み物も飲んだっていい。ぼうしをかぶったまま講義を聞くのは失礼だ、という人もいるが、話を聞くこととぼうしをかぶっていることは特に関連がなさそうなので私は気にならない。静寂が守られるようになった時点で、マンガを読んでたり寝てたり、他のことをしている学生をどうにかすることを考えることにしよう。といっても、学生を惹きつけられる講義が出来ているというのが前提にあって然りの契約書であるのは言うまでもない…。さらにそれ以前に、こんな契約書考えなくて良いのが一番だ。
寝てしまう度:★★★★☆ / オススメ度:★★★★☆
Note : 寝てしまう度は読み終わるまでに私が何回寝たかで算出
(5回以上寝た場合ももう全部☆5つ)
Note : 寝てしまう度は読み終わるまでに私が何回寝たかで算出
(5回以上寝た場合ももう全部☆5つ)
Posted by ayaM at 2005年07月29日 00:07
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コメント
面白かったろ?
大学に求められてるものって二極化してるのかもね。
ところで、人をキレキャラみたいに言わないように!
Posted by kim at 2005年08月01日 06:42
うん、面白かった~
以前は「せんぷーき…カタカタ…変換!あれ?先生漢字に変換されません!」ネタで愕然としたけど、最近では「まぁありかねんな…」、くらいまで慣れてきてしまいました。やばい傾向かなぁ
早く返すから怒らないでね怒らないでねごめんねごめんねw
Posted by ayaM at 2005年08月01日 12:20
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日本の大学生は、確かにやる気がなくても「なんとなくみんな行くみたいだから」という理由で大学に行くことを決めたりすることが多い気がする。先日電車に乗ったとき、阪神タイガースのベースボールキャップをかぶり、黄緑の蛍光色Tシャツにデニムのハーフパンツ、そして「キリン氷結果汁」を片手にした外国人(後にテキサス州出身のアメリカ人と判明)を発見した。げげげと思いながらも向かい側の少し離れた席に座っていたところ、数駅通過したところでちょっと知り合い風の別の外国人(後にブラジル人と判明)が乗車。アメリカ人の向かいの席に座った。そこから席を隔てた大声トークが始まった。
あまりに声が大きすぎて聞き耳イヤーを立てたワケじゃないのに勝手に聞こえてきてしまった。どうやらその一見アブナイアメリカ人は4つの大学で英語を教えている講師のようだ。学生の様子をブラジル人から聞かれたとき、「4つのうち3つはいいけど、残り1つは…」と話していた。「なんで大学に来ているのか分からない」「私の1年生用のクラスにもいるし、2年生用のクラスにもいる学生がいる」「単位を落とした学生は、再履修の時は少しは勉強する。"enough to pass"レベルの勉強をね…」とか文句を言っていた。16時ごろの電車内で、一人飲酒する大学英語講師とやる気のない日本人大学生…。いろんな意味で心配になった。ちなみに写真は、とある大学生たちが提出物に描いた落書きである。クーがちょっとアカデミックな感じにアレンジされているのがおもしろいが、見た瞬間私がこのクーみたいになってしまった。そして2つ目の落書きは、威嚇しているもののほとんど脱いでしまっている。ダメかもしれないが笑ってしまった。ただし、今はまだあくまで他人事。自分が描かれたら笑えないかもしれない。描きたい気持ちは分からなくもないが、ここはひとつぐっとこらえて欲しいものだ。