2005年06月20日

自然科学と社会科学の隔たり


「わかる」とは何か 長尾 真

 「わかる」とは何か
  長尾 真
  岩波書店  2001/02

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実家にあったので奪ってきた本。著者は2003年まで京都大学の総長だった方。工学系の研究者ということだ。ちなみに現在の総長は我らが尾池和夫氏である。高校の時に尾池先生の講演を聴いたような気がするのだが、覚えているのは、質問タイムで矢嶋君が「僕は頭が悪くてクラスでもビリのできそこないです。こんな僕でも京都大学に入れますか。」と聞いていたことくらいだ。

<読み終わって思ったこと>
自然科学と人文社会科学の大きな違いは、「そこに絶対不変の真理があるかどうか」という点にあるのかもしれない。社会科学系はどうしても帰納的、確率論的なお話ししかできない。一般的に科学というと社会に貢献することが義務付けられていて、その貢献の形が一般の方々にとってわかりやすいのは自然科学のほうだと思われる。でも、人が人を対象として研究を行なう人文社会科学だって、曖昧な部分があるにしろ、きっと捨てたものではないはずだ。

長尾氏は生粋の自然科学を対象とした研究者である。その視点からみると、人文社会科学系の論文は「ここまでわかっているから本研究ではその先を解明する」、ではなく、相手の考え方や方法論の批判や自分の方法論の妥当性の証明にばかり終始し、結果やたら引用文献が多いことが特徴であるらしい。たたた、確かに。

研究者が持つべき態度みたいなものを考えさせられる、良い本であった。「私たち研究者は十分謙虚でなければならない。研究者は現実を直視し、真理に忠実であり、科学の限界を十分認識し、こういったことを社会に対して正しく伝え、社会の理解をうる努力をすることが必要である(Pp.166-167)」のくだりなんか、すごいなぁと思った。こういう考えを持つ方を総長にする京大はやっぱりオシャレだ。なんだかんだオシャレかどうかが一番大切。
寝てしまう度:★★☆☆☆ / オススメ度:★★★★★
Note : 寝てしまう度は読み終わるまでに私が何回寝たかで算出
      (5回以上寝た場合ももう全部☆5つ) 
Posted by ayaM at 2005年06月20日 01:05
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コメント

わたしは本の内容よりも、長尾氏が矢島君に
なんと回答したのかの方が
とてもとても気になりますが・・・。
是非続き求む。

Posted by たいころ at 2005年06月20日 22:41

長尾氏ではなく尾池氏です~。
私は質問自体に度肝を抜かれて、尾池氏がなんと答えたか、覚えていません…。おそらく当たり障りのない回答だった気がするんやけどなぁ。「ガンバレ!」的な。

Posted by ayaM at 2005年06月21日 00:27

こんなにも面白い日記サイトを運営していたとは!
どうでもいいですけど,山鳥重先生の
「わかる」とはどういうことか—認識の脳科学 ちくま新書 756円 はかなり面白いです.

Posted by koh at 2005年06月25日 10:30

どうもどうも、恐縮です。しょうもないワールドにようこそお越しくださいました。
最近私の中で「脳」が流行しているので、本屋さんで見つけたら買って読んでみます~。ありがと~。

Posted by ayaM at 2005年06月25日 15:21
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