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2005年05月30日

●日中関係の謎

【北京の瑠璃廠(LiuLiChang)にて。幾度となくふっかれられた。】

5月23日に中国の呉儀副首相が小泉首相に申し入れていた会談を突然キャンセルして帰ってしまった。「国内での緊急の公務」という理由をつけて帰ったのだが、その後靖国参拝停止を求める中国に対して「内政干渉」だ、との強硬な発言が見られたことに対する不快感が真の理由であることがわかった。キャンセルするにしても、普通にウソは良くない。

それからちょうど1週間が経過。直後の報道では散々騒いでいたものの、なぜだかすぐに沈静化した。不思議な気がしないでもないが、とにもかくにもここ最近、小泉さんの思惑と言うか政策がいったい何を目指しているのかわからなくなってきた。「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域である」とか変な発言が多い小泉さんだが、かたくなに靖国参拝を続けるのはなぜだろうか。

そもそもヤスクニヤスクニ言ってるけど、靖国ってどういう意味をもっているのだろう。私はそういうことに全く疎く興味もない、厚顔無恥の田舎者のため、今までなんとなく「ヤスクニに参拝して何が悪い。神道は排他的な宗教でもないし、日本特有の、道徳心を学ぶためにはうってつけのものじゃないの。それを外国からああだこうだ言われる筋合いないよ。」とまる子調に思っていた。つまり、靖国神社といっても私の中では近所の神社よりもちょっと大きめの神社、くらいの認識でしかなかったのだ。で、この機会にと思い調べてみると、なるほど中国とか韓国はだからイヤなんだ、という点が少し見えた。

そもそも靖国神社は明治10年の西南戦争以降、外国との戦いにおいて戦死した方々を軍神として祀っている神社らしい。第2次世界大戦中は国家神道の象徴として靖国神社は存在していた。現在では当然ながら政治と宗教は分離されるべきものであり、戦前のがっちりスクラム体制など、存在するはずもない。ただし、宗教法人としての靖国神社の立場は戦前とほとんど変わっていないと言う認識でもよさそうだ。つまり、「天皇と国家を主とした健全な社会の育成」を目指している。そしてその歴史観がちょっとまずい。例えば以下に挙げるような主張をしている。

・大東亜戦争は自衛、または東アジアの開放のために必要不可欠なものであった。

・日本は中国・韓国に対して謝罪の必要はない。

・従軍慰安婦は強制ではなかった。

・首相による参拝はあってしかるべきだ。


これはどうもまずい。なぜならこれでは小泉さんの論理が完全に破綻してしまうからだ。小泉さんは「過去の過ちを忘れないようにするために靖国に参拝している」みたいな主張をしているが、参拝をしている先の靖国神社が過去に過ちはなかったと述べている。靖国神社の歴史観をしらずに上記のような発言をもし万が一しているとすると、それは一国の首相として、穴があったらそこに突き飛ばして隠れておいてもらわないとダメなほど恥ずかしいし、知っているのであれば、小泉さんの主張は理にかなっていないことになる。

どちらにしろ、小泉さんはもう少し真剣に順を追って自分の行動について説明をするべきである。自分の思っていることを相手に正確に伝えるためには、しばしば多くの時間をさかなければいけない場合もあるし、時間をかけても伝わらないことだってある。ひねくれ者の曲解は、犬が西向きゃ尾は東、と並んでと言ってよいほど世の常だ。しかしながら、「自衛隊の…」発言にも見られるように、今の小泉さんからは「相手に理解・納得させるための対話」への姿勢があまり見られない。

大陸棚は中国大陸から伸びているのだから東シナ海はこっからここまで中国のものです。とかわけのわからない主張をしてストロー方式のガス田の建設に着手してみたり(オランダとアメリカの民間企業を仲間にしているのもたちが悪い)、沖ノ鳥島を「岩だ」と言ってみたりする、よく分からない国とこれでは同じになりかねない。

そして、最近特に思うのだが、日本と中国はコンスタントに小競り合いをしてみては、それらをうやむやにするということを繰り返していて、結局何がしたいのかどうも謎である。潜水艦の領海侵犯、デモ、靖国参拝問題、教科書問題。会談キャンセル後からたまにこの理由について考えたりするのだが、いまだ私の中で明確な答えは見つからない。


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靖国神社 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
靖国神社公式サイト
短かった日中対話の春 2005年5月24日  田中 宇

コメント

見覚えのある画像に惹かれて初コメント。
しかし近代化されてますな。ここも。
わたしが98年に行ったときは、ほんと
古きよき時代の街並みだったのに。

わたしも最近の小泉さんがアホに見えてしかたありません。
中国が自分の意思を通しすぎるガンコモノの国だということは
歴史を紐解かなくてもすぐわかりそうなものだけどな。。。

どうもどうも。ここ近代化されてるんや~。私は写真奥にちょっと写っている屋根のついた自転車タクシーをみて興奮していました。

それにしてもなんだか最近外交政策のビジョンがはっきりと見えてこないです。全く関係ないけど、元日本兵の人たちが「軍法会議」をめちゃ恐れてるのとかを目の当たりにすると、当時の日本は異様な状態だったんだなぁと最近思ったりしてました。

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