世界には残念なことに紛争地域が沢山あるが、その理由は国土に関する利権問題、国内統治に関する利権争い(内戦)、そして宗教がらみのいがみ合いが大半を占めるのではないかと私は考えている。そしてこのような紛争に巻き込まれることで、自らの帰属意識や支持政府の正当性を再確認したり、逆に疑問を持つ傾向がある。中国には有り余るほどの国土があり、よその国土を侵していることはあったとしても侵される心配はほとんどないように見える。宗教は儒教のような「生活の教え」が中心だ。だから国土の侵略、宗教がらみの帰属意識はいまいち希薄である気がする。まぁこれは日本も似たようなものだ。
ただし、どうもやっぱり共産党による国内統治がうまくいってない。締め付けの過酷さは死刑執行数(年間3000人超、世界全体の9割:いくら人民が多いからといっても…)からも想像がつくし、生活が潤っているかというと都市部と農村部、裕福層と貧困層に天と地ほどの差がある。事実、昨年の夏に北京に行った際、ビルの立ち並ぶ近代的なエリアがある一方で、そこからタクシーで5分もしない場所ではばったもん商品が所狭しと並び、気を抜いたら引ったくりに遭いそうな、よどんだ空気が流れていた。
このようないびつな発展の仕方から生じたと思われる国内政治への国民の不満を、政府が反日感情に置き換えているという気がしてならない。もし国内が潤っていたならば、自国の経済に対する誇りや政府への信頼感などから多少のアイデンティも感じられよう。でもそれがどうもうまく行かないものだから、それらしい仮想敵国を作ることで団結し、中国、そして中国人であることのアイデンティティを確かめ合っているように私にはうつってしまうのである。もしそうならいい迷惑だ。実際に中国政府がどのように扇動しているのかといった証拠はないし、私が直接見たわけでもないので強い口調で断定はできないが、日本に対する不満を日本企業や大使館の所有物、ハゲさせた小泉首相の写真や日本国旗にぶつけても、正直何の解決にもならないことだけは断定できる。
あと、非常に素朴な疑問なのだが、日本人の私ですら詳しくは知らない「新たに認可された歴史教科書」に関する詳細を中国の方々がよくご存知なのも不思議でならない。あれだけ情報が統制された国で、外国の教科書の内容をどうやって入手するのだろう。
もうODAやめやめ!北京空港も壊す!きー!などと暴れたくなるが、さすがの私もあの騒動に参加している中国の方々よりは大人になろうと思う。別に中国人みんながああだとは全く思わない。ひとまず2008年開催の北京五輪が心配だ。
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